子供たちの健やかな成長を願う「七五三」
子供たちには晴着を着せてあげたいし、記念の写真もたくさん撮りたい。ネットやカタログを見ても、華やかでかわいらしい服装が非常に多い、最近の七五三。
でも、ふと気が付くと、「親は一体、どんな恰好をしたらいいのー!?」と思ったことはありませんか?
本日は、七五三の日に親が着るべき服装についてまとめてみます。
七五三の服装 親は何を着たらいいの?
まず、ポイントとして押さえておきたいのは、「親が何を着るか」というのは、主役である「子供が何を着るか」に準ずるというところです。
というのは、「七五三」の主役は、あくまでも子供。親は、その付き添いとなるので、主役である子供が着ている服装よりも格下になるように考えなくてはならない、ということです。
たとえば、極端な例を出すと、子供がちょっとオシャレなワンピースを着ているにも関わらず、父親が紋付袴を着ていたり、母親が結婚式にも参列できそうな訪問着を着たり・・という場合。
明らかに親の方が子供の服装以上に気合いが入ってしまっては、バランス的に考えて、NGだということですね。
あくまでも
・子供が1番、格のある服装
・親はそれを引き立てる服装
になることを意識しなくてはなりません。
そして、夫婦の服装のバランスもとれるようにしましょうね。片親だけが、異様にオシャレになり過ぎるのも、これまた不自然になってしまいますから。あくまでも「バランス」を考えていきましょう。
そのことを踏まえた上で、「親が何を着るか」ということを考えていきたいと思います。
七五三の服装 前撮り写真撮影の際はどうする?
まずは、記念写真を撮影するときのことを考えていきましょう。
【子供が、「着物」か「袴」を着る場合】
子供が女の子の場合は着物、男の子の場合は袴を着ることがありますね。特に、5歳の男の子の場合には「袴着の儀」「着袴の儀」「初袴」などと言って、袴を着るケースが増えています。
この場合、親も着物や袴でもいいのですが、実は厳密に言うと、その着物や袴にも格があります。そして、その格によっては、七五三にはふさわしくないものもありますので、着物を着る予定の方は、一度、ご自身がもっている着物の種類を確認しておきましょう。
どうしてもわからない場合には、購入した呉服屋さんに直接問合せるのもよいでしょう。そういう方は少なくないみたいですので、安心して確認しましょう。
下記の表は、「着物の格」についての表ですが、上から格が高い順になっています。
着物の種類 | 簡易な説明 | 七五三には |
黒紋付(くろもんつき) | 最高の礼装 | |
留袖(とめそで) | 第一礼装 | |
訪問着(ほうもんぎ) | 第二礼装(略礼装) | 〇 |
付け下げ(つけさげ) | 第二礼装(略礼装) | 〇 |
色無地(いろむじ) | おしゃれ着(外出用) | 〇 |
小紋(こもん) | しゃれ着(外出用) | |
紬(つむぎ) | しゃれ着(外出用) |
七五三にふさわしいのは、「訪問着、付け下げ、色無地」です。
よほど着物に詳しい人でなければ、詳細な違いはわからないとは思いますが、厳密には、このように着物にも段階があるのです。
ですので、子供の着る着物の格に合わせて、それ以上にならないように調節した着物を着るのもいいでしょう。着物は大変だという方は、スーツもよいと思います。
写真全体の、色のバランスを考える
着物を着るにしても、スーツを着るにしても、大切なことは「色のバランス」です。
写真は、一生残るものですから、せっかくなので、きれいに残しておきたいですよね。お子さんの着物や袴の色が引き立つような色味を考えて、ご自身の着るものを選びましょう。
よく耳にするのが、「父親と母親は、黒い喪服でよいでしょうか?」という質問です。厳密に言えば、いけないことはありませんが、両親が真黒な出で立ちで、子供だけが華やかな和装だった場合、写真としてみると、まるだ子供だけが浮かび上がって見えるような仕上がりになってしまいます。
そんなときは、たとえ中は喪服であったとしても、ストールやジャケットで明るい色を取り入れたり、パールのネックレスやコサージュなどで刺し色をするなど、少しでも華やかにする工夫をするとよいでしょう。
正式な席とはいえ、やはり「おめでたい席」ですから、小物使いの難しい男親よりも、いろいろな工夫のしやすい、女親の方が華やかさを取り入れてあげられるといいですね。
【子供が、「スーツ」や「ワンピース」を着る場合】
子供が、スーツやワンピースの場合は、親も同等のスーツやワンピースを着るのが望ましいです。
子供が洋装なのに、親が気合いの入った和装にしてしまうと、どうしても不自然さが出てしまいます。子供が洋装の場合には、親も合わせて洋装にしましょう。
七五三の服装 お参りの日はどうする?
実際に七五三のお参りに行く日のことですが、この日に関しては、見た目や色はもちろんのこと「動きやすさ」についても考えなくてはなりません。特に、お子さんが複数いる場合には、とっさのときに対応できるような服装をするのが望ましいですね。
だからと言って、普段着やジーンズなどをすすめているワケじゃありませんよ!あくまでも、フォーマルな格好でありながら、動きやすさもあるもの、ということです。
もしも、お子さんが着物や袴を着ていた場合、お参りをする神社は、地面の部分が砂利なので、移動中は、靴に履きかえた方がいいです。履きなれないものでの移動は危険ですし、つまづいて転んでしまったら、せっかくの着物や袴が着崩れてしまいます。
ですので、現地で子供の履物を換えさせたり、そうした荷物を持ち運べる余裕がある恰好でないと、お参りが辛くなってしまうかも知れませんね。あとは、上手に旦那さんや祖父母を頼りましょう。
ご自身が着物を着慣れていない場合は、自分のことで手一杯になってしまって、お子さんのことを見れなくなってしまったり、いざというときに抱っこしてあげたり、適切な動きができなくなってしまう可能性が高いので、余裕をもった対応をしたいのであれば、着慣れているスーツやワンピースなどを着ることをおすすめします。
なお、足元が砂利で歩きにくいのは、お子様ももちろんですが、ご両親や、そのさらに親御さんなども同じですので、くれぐれも、足元には気を付けて、安心してお参りできるようにしてくださいね。たとえ洋装であったとしても、高いヒールなどは危ないですから、気を付けてくださいね。
まとめ
結論としては、ご家族が納得いく形であれば、どんな服装でもよいのですが、あくまでも主役は子供。そこを忘れることなく、格やバランスを意識した、常識的な恰好でお参りすればよいと思います。
七五三は「子供の健康と長寿を願う」ものですから、くれぐれも安全に。そして思い出に残るような楽しい時間にしてくださいね。