暑くなってくると、いろいろなところで「暑中お見舞い申し上げます」などの貼り紙や看板などを見かけることがありますね。
必ず耳にはしていますが、意外ときちんとわかっていないのが、出す時期やなんと書いたらよいのかどうかなどではないでしょうか。
これまでは、なかなか書かずにいましたが、仕事関係や親戚などに送る必要が出てきましたので、これを機に、暑中見舞いに関して調べてみました。
暑中見舞いを出す時期と書き方について
暑中見舞いは「いつ出せばいいの?」というのが最初の疑問です。これについては諸説あるらしいです。
暑中見舞いを出す時期 【説1】
一番目は、夏の土用(立秋前~立秋前日)という説です。夏の土用と立秋はその年によって違います。因みに、2015年は7月20日~8月7日です。
<土用とは>
陰陽五行説で、春・夏・秋・冬をそれぞれ木・火・金・水とし、(余った?)土を各季節の終わりの18日間に当てはめたことから、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を土用といいます。
次の季節へ移る前の調整期間といったところでしょうか。
(出典:日本の行事・暦)
暑中見舞いを出す時期 【説2】
二番目の説は、小暑(7月7日)~立秋の前日(8月7日)です。
暑中見舞いを出す時期 【説3】
三番目の説は、梅雨明けから立秋の前日(8月7日)です。
いずれの場合も、8月7日まで、という事に変わりありません。何時から出すのか、という見解だけが違っています。
ちなみに、残暑見舞いを出す時期は明確ではありませんが、立秋より後に送るのが一般的です。(8月8日~8月31日)
結局、いつ出せばいいの?
3つの説がありますが、結局いつ出せばいいのかよくわかりません。そこで、暑中見舞いの意味を考えてみましょう。
一年で最も暑い時期に送ることで、先方の安否・健康を気にかけることから起こった習慣です。ですから、「最も暑い時期」に送るのが良いと思います。その場合は、相手が住んでいる場所の暑さを考えて出します。
いつ出すか、とあまり神経質になることはありません。大事なのはその内容です。気持ちがこもっていれば、いつ出しても先方に伝わると思いますので、その「心」を忘れずに、丁寧に心を込めて書きましょう。
暑中見舞いの書き方について
では、次は暑中見舞いの書き方についてみていきましょう。まず知っておきたいのは、暑中見舞いは季節の挨拶状なので、特に決まった形式はないという事です。ですから、あまり書き方を気にすることはありません。
暑中見舞いの書き方:文例
一般的な暑中見舞は、季節の挨拶から入ります。「暑中お見舞い申し上げます」などの決まり文句です。続いて、先方の安否をたずねる言葉を書きます。その次に、自身の近況を伝える言葉を書きます。結びは、先方の無事を祈る言葉で締めくくります。最後に日付を書きます。
暑中見舞いには、「拝啓」などの頭語や、「敬具」などの結語は要りません。日付は、「○○年○月」で構いませんが、「○○年 盛夏」とすることが多いです。
参考までに、基本的な【暑中見舞いの文例】をご紹介します。
1.暑中見舞いの言葉の例
- 暑中お見舞い申し上げます。
- 暑中お伺い申し上げます。
※縦書きの場合は、はがきの右側に大きい字で書きます。
2.安否を気遣う言葉
- 厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
- 連日の猛暑の中、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 暑さきびしき折、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
3.日頃の感謝の言葉
- 平素はなにかとお世話になり、誠にありがとうございました。
- 日頃は何かとお世話になり、またお心におかけいただきまして、ありがとうございました。
4.健康を気遣う言葉
- 酷暑の折柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
- 例年にない暑さが続いております。何卒ご自愛専一にお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。
5.日付
「平成27年盛夏」と書きます。
ちなみに、残暑見舞いの場合は「平成27年晩夏」「平成27年立秋」となります。上記の1~5の順番で書くと、構成がうまくできます。
暑中見舞いの「返信」の書き方について
いただいた暑中見舞いの返信として書く場合は、1と2の間にお礼の文章を加えると返信用として使えます。
「お忙しい中、暑中見舞いを頂戴致しまして誠にありがとうございました。」などです。
ハガキが来てから日にちがたってしまったら、返信は残暑見舞いにします。8月いっぱいでしたらOKです。
【暑中見舞いと返信】まとめ
夏の「暑中見舞い」について、基本の文例を見てきました。夏の暑い時期に出す、季節の挨拶です。
送る先の事情などを考慮して、自分の言葉で気持ちを込めて書きましょう。思いのこもった一枚が届くと、きっと先方様も嬉しい気持ちになると思います。体に気を付けて、よい夏をお過ごしくださいね。