2017年、愛知県の多くの潮干狩り場で、潮干狩りが中止になったことをご存知でしょうか?(詳細はこちら)
原因は複数あり、「あさりの生育不良」「あさりの密漁?」「ツメタガイの食害」など、複数の要素が重なり合って、そのような結果になったようですが、今回はその中でも特に気になった「ツメタガイ」について調べてみることにしました。
今回は、あさりを食べてしまうという、あさりの天敵「ツメタガイ」についての情報をお届けしていきますね。
ツメタガイの生態について
ツメタガイとは、タマガイ科の巻貝で、見た目がエスカルゴやカタツムリに似ていると言われています。貝殻から飛び出すように、広がる姿がとてもインパクトがあります。
ツメタガイの特徴
ちょうど、潮干狩りなどを行うのに最適な、水深10~50cm程度の砂地の浅海に多く分布しています。
ツメタガイは肉食性!?
なによりの特徴が、多くの貝が草食(プランクトンなどを食べる)が多い中で、肉食であり、特にあさりなどの二枚貝を好んで食べるという習性があることです。
ですが、貝といえば、硬い貝殻に守られているはず・・・。一体どのようにして、他の貝を食べているのでしょうか?
ツメタガイは貝殻に穴をあける
ツメタガイは、自分の貝殻から大きく飛び出すことができます。そして、そのムニュッとした軟体部分で、獲物と認識した、あさりなどの二枚貝を捕まえます。
そして、殻ごと完全に覆い尽くした上で、獲物の殻(殻の薄い部分)に2mm程度の穴をあけて、中身の貝を食べるのです。
この、穴のあけ方ですが、ある一説では
やすりのような歯舌を用いて獲物の殻の最も尖ったところである殻頂部を平らに削っていき、2mm程度の穴をあけて軟体部を食べる。
(出典:ウィキペディア)
と言われていて、ある一説では
足の一部から酸性の液を分泌し相手の殻に塗りつける。
これにより殻の成分、炭酸カルシウムを分解。柔らかくしてしまう。その後、特殊な舌の上に並んだ歯によって丸ヤスリの様に前後に動かして穴を開けていきます。
(出典:http://harady.com/shiohigari/teki2.html)
とあったので、どうやら、まず自分の足の一部から酸性の液を分泌し、相手の殻を溶かしてから、最後に自分の歯を使って穴をあけるようですね。用意周到で賢い動きをする貝です。
あさりの天敵ツメタガイ、あさりを食べる瞬間の動画
なんとっ!ツメタガイがあさりを食べる瞬間の動画があったのでご紹介します。あさりを貝殻ごとまるっと飲み込んでしまう衝撃映像がおさめられています!
あさりを飲み込んだあと、体が大きくふくらむ姿がリアルで、なんだか怖いですね。
ツメタガイは食べられる貝
このように、あさりの天敵として、「あさりを食べる貝」ではあるのですが、なんとこのツメタガイ、人間にとって「食用」になる貝のようです。
ツメタガイの食べ方
まるでエスカルゴ(かたつむり)のような巻貝型。まず塩水でゆでます!
しっかりとゆであがると、まるでサザエのようにスルリと貝殻から貝の身だけを抜くことができるので、ゆでて、砂をしっかりと洗い落とし、そこから調理をしていきます。
本当にエスカルゴのように、「バター&パセリのみじん切り&ニンニク」と一緒に調理をして、フランス料理のような料理にしてもいいですし(イメージはこんな感じ。タコの代わりに、ツメタガイを使用します)
日本食らしく、お酒や醤油、みりんなどと一緒に煮込んで、貝の甘辛い煮付けにしてもおいしいようです。
ツメタガイは、なんといっても、日常的に食べているものが、私たちの好む「あさりなどの二枚貝」なので、当然といえば当然なのですが、おいしい貝を食べて育っている巻貝です。「おいしい貝を食べて育った貝はおいしい」まるで禅問答のようです・・・。笑
あさりの天敵、ツメタガイをおいしく駆除しましょう
以上、みてきたように、ツメタガイは「あさりなどの二枚貝を食べてしまう」貝です。潮干狩りなどを考えている私たちにとって、そして漁業組合の方々にとっては、まぎれもなく「害貝」なのです。
ですが、その身は「食用」として、十分に通用するおいしさをもった食材となります。
こちらのニュースを受けて、愛知県では「ツメタガイの駆除」に力を注がなくてはならない状況となっています。
もしも、興味のある方がみえましたら、本来とるはずだった「あさり」の代わりに「ツメタガイ」をとることができたら、来年以降のあさりの保護が出来る上、なかなか味わうことのできない新しい貝の味わいを楽しむことができます。
人助け、貝助けをしながら、おいしく楽しい思いをする。なかなかにユニークな発想ではないでしょうか?
2017年に愛知県で潮干狩りを中止にした【ツメタガイ】とは??まとめ
以上、ツメタガイについてまとめてみました。2017年は残念な結果になってしまいましたが、「ツメタガイは食べられる」という情報を上手に活かして、うまく駆除し、来年以降はまた例年通りに、多くの会場で潮干狩りができることを祈るばかりですね。
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