お歳暮の時期にはまだ早いですが、初めてお歳暮をどうするか?について考えている人にとっては決して早くありません。
結婚したばかりの人や新入社員の方にとっては頭の痛いことですよね。そもそもお歳暮って、いつからあるのでしょうか?
そこで、お歳暮の歴史・贈るタイミングなどについて調べてみました。
お歳暮はする しない?そもそもの由来と歴史
お歳暮とは言葉の通り「年の暮れ」を意味しています。その年の暮れに贈るものがお歳暮で、今ではありとあらゆるものが贈られていますよね。お歳暮って絶対贈らなければならないものでしょうか?
そもそもお歳暮とは、「一年間の感謝の気持ちを込めて贈るもの」です。そして、基本的には、一度贈ると毎年贈ることになるので、その点を良く考えてから贈るようにしたいものです。
遠くに住む、あまり行き来のない親戚などに贈る必要があるのか?ということも気になります。一年を通してお世話になった方に贈るもの、というのが大前提なのですから、一年間顔も合わせたことが無い人に、義理だけで贈るのは、物々交換のような感じになるので、あまり感心しません。贈るか贈らないかの最後の判断は、やはり自分でした方が良いと思います。
お歳暮の由来は、「お正月にやってくる神様にお供えするお供え物」として始まったのがその起源だそうです。
今のお歳暮の意味と全然違いますよね。一年間お世話になりました、という気持ちは過去の事、これからやってくる神様の接待は未来の事です。
「お正月に先祖の霊を祀るためにお供え物をする」という日本古来の風習もあります。それと同様に、お正月にお墓参りをするところがあるとも言いますね。
<そもそものお歳暮の由来>
- お正月にやってくる神様にお供えするお供え物
- お正月に先祖の霊を祀るためにお供え物をする
さて、お歳暮の始まりをご紹介します。
それは江戸時代までさかのぼります。その当時武士たちは組合を作っていました。その組合の頭(かしら)に贈り物をする習慣から日本のお歳暮文化が根付いたと言われています。
1688年の『日本歳時記』の記録にお歳暮に関することが書かれています。
下旬の内、親戚に贈物して歳暮を賀す。
また知れるところの鰐寡孤独貧窮困苦の者にも、我が力に随って財物を賑わうべし。
あるいは我にかつて恩恵ある人、師伝となれる人、我が身および家人の病よ療せし医師などのも分に随いて厚く物を贈るべし。疎薄なるべからず。
かようのことは、軽くせんか重くせんかと疑いて決しがたくは、重きにつくべし。吝嗇なるべからず
(出典:日本歳時記)
内容は、世話になった人に対し、最大限の感謝の気持ちを込めてお歳暮を贈りなさい。歳暮を面倒臭がったり、ケチっちゃいけないよ、というようなことが書かれています。
これを見る限り、今も昔もお歳暮に対する考えは同じなのです。脈々と受け継がれてきたお歳暮の歴史は、現在ではお歳暮商戦という言葉が生まれるくらい日本人の生活に密接につながっています。
そういう文化を大切にしなければと思う反面、お歳暮商品が年々高くなる傾向にあることから、無駄な出費ととらえる人がいることも事実です。やはり、そのご家庭の状況によって、するかしないか判断して、良き新しい年を迎えたいものです。
お歳暮を贈る時期はいつ?
日本の伝統文化として根付いているお歳暮はいつ贈ったらいいのでしょうか?お歳暮は時期ものです。贈るタイミングを間違えないようにしましょう。
お正月の準備を始める「事始めの日」の、12月13日~12月20日までに贈るのが本来のあり方です。ところが最近では、お歳暮を贈る時期が早くなっています。11月末ごろから(12月に入ると届く)という方も多いようです。
更に、地方によって習慣が違います。以下のように言われています。
- 関東では12月初旬~12月31日
- 関西では12月13日~12月31日
とはいえ、12月31日というのは年末が押し迫っており、忙しい時期なのでお歳暮が届くのは大変迷惑なことです。実家に帰省していて、家にいないということも多いですからね。
ということを考えると、12月20日頃までに贈るのが無難なようです。
お歳暮は誰に何を選んで贈ったらいいの?
お歳暮は季節のご挨拶です。失礼が無いように、誰に何を贈ったらいいのか調べました。ご紹介します。
一般的な贈り先は、両親・義父母・仲人・親類・上司・会社関係の人などです。挙式の際の頼まれ仲人の場合は、お歳暮を贈るのは結婚式から3年間まででよいとされています。
誰に贈るという明確な決まりがあるわけではありません。近頃では、親しい同僚や兄弟・仲のいい友人と言った身近な人に、「いつもありがとう」という気持ちを込めて贈ることも多いようです。カジュアルな感覚で贈るのもいいでしょう。
誰に何を贈ったらいいのか迷うところですが、その金額も気になるところです。およその目安を見てみましょう。
- 特別にお世話になった方 5,000円~10,000円
- 仲人や日ごろお世話になっている上司 5,000円前後
- 親戚、知人 3,000円~4,000円くらい
贈る相手の年齢によっても金額が変わります。40代が最も高く、平均額は5,000円~6,500円とされています。
でも、あまり金額にとらわれることなく、先様の家族構成や趣味、などを考慮して品物を選択しましょう。きっと感謝の気持ちが伝わると思います。
まとめ
歴史を紐解いてみても、お歳暮は「一年間の感謝の気持ちを込めて贈るもの」でしたね。
最近では、めっきり減ったといわれていますが、それでもやはり、しきたりとして残っているところには残っていますよね。
「やらねばならない」という気持ちでなく、あくまでも自然に「感謝の気持ちを伝えたい」そんな思いで贈ることができたら幸せですね。
ぜひ、そんな気持ちで用意してみてください。心温まる交流になりますように。