七五三を迎える五歳の男の子。
七五三の由来から考えると、五歳の男の子は「袴着の儀」を迎えるため、袴を着るのが正装と言われています。
そこで迷うのが、この上に羽織を羽織るべきか否か、どうも意見が分かれているようです。そこで真偽のほどを調べてみました。
七五三の五歳の男の子 羽織は羽織るべきか?
先に結論を言うと、
本来の男性の「和服の礼装」は紋付の羽織袴姿(はおりばかま)。
なので羽織を着るのが正式な服装。
でも、七五三に限っていえば、羽織がなくても不自然ではない。
という感じです。
堅苦しく、本来の形というのを追求するのであれば、当然ながら紋付羽織袴が正解です。でも、中に着る着物が人から頂いたものだったりすると、「多くの人に見えるように着たい」と思うこともあるでしょうし、単にお子さんが重たいとイヤがってしまい、羽織を脱いでしまうということもあります。
小さなお子さんが着ている衣装に対して、ものすごく神経をとがらせて、カリカリする人もそれほど多くはないと思いますので、あまり神経質になる必要はありません。
でも、せっかくですので、正式なお話しなど、一つ一つ、細かに見ていきましょう。
七五三の五歳の男の子 正装について考える
ここでは、まず、「男性の着物の正装」について見ていきます。
男性の着物は、大きく分けて、以下の3つのグループに分けることができます。
- 普段着・日常着
- よそ行き・お洒落着
- 礼装用
「1.普段着・日常着」は、カジュアルに着物を楽しむ感じです。袴もはかず、普通に着物を着用するというスタイルですね。「着流し」と言ったりもします。(「着流し」とは、羽織を着ずに、長襦袢の上に着物を着る着方のこと)
「2.よそ行き・お洒落着」は、「着物+羽織」もしくは「着物+袴」のいずれかだけを着用する感じになります。
「3.礼装着」になると、着物の上に、「羽織&袴」の両方を着用する形になります。
この場合、第一礼装の「黒紋付き」と一般礼装の「色紋付き」とがありますが、これらを着るときは、足は白い足袋をはくのが基本です。
こうして見てくると、七五三は、一つの節目の行事ですから、基本的には礼装である「羽織 + 袴」が本来の姿であることは、ご理解いただけますでしょうか?
最近では、写真館で用意されている衣装にも、きちんと羽織が用意されていますので、羽織を着ている子の割合は、昔に比べて少し増えているかも知れませんね。
七五三の五歳の男の子 羽織は臨機応変に
正式なものが、「羽織 + 袴」だということはわかりました。
ですが、最近は、子供の親世代の仕事環境や、さまざまな事情から、七五三をお祝いする時期が随分と前後にずれていることも多くなってきましたね。
大手の写真館などでは、写真の前撮りをすると、9月、12月の平日には無料で衣装を貸してくれるところも出てきました。
9月は、まだまだ残暑も厳しい時期です。ただでさえ袴姿では暑いですし、おまけに着ているのは5歳の男の子(数え年も満年齢も含みます)。その子の体調に合わせて着るものを調節するのは当然のこと。
無理してまで、意地でも羽織らせるようなものではありません。写真の撮影をするときには羽織って撮るといいと思いますが、それ以外の場面では、臨機応変に対応したらよいと思いますね。
服装などに対して、厳格な親族の方々と一緒にお参りしたりするようであれば、その方に合わせたらいいですし、気楽なスタイルでよければ、子供の望むようにしてあげるのもいいですね。
まとめ
というわけで、七五三の5歳の男の子の衣装は、羽織を着るか否か、ということですが、冒頭でも述べたように
本来の男性の「和服の礼装」は紋付の羽織袴姿(はおりばかま)。
なので羽織を着るのが正式な服装。
でも、七五三に限っていえば、羽織がなくても不自然ではない。
というのが結論です。
「本来こうである」という意見と、現実にお参りをするお子さんと親御さん、それぞれの都合に合わせてベストなスタイルを貫かれたらよいと思います。
ご家族にとって幸せな思い出となる七五三になりますように。