「歯周病」という言葉を聞いたことがありますね。
その字が示すように「歯」に関する病気かと思いきや、どうやらそれだけではないようです。
そもそも、あまり自覚症状がないため、見過ごされがちな「歯周病」ですが、放っておくととんでもない病気へと進行していく可能性もあるのだそうです。
今日は、そんな「歯周病」についてお届けします。
歯周病の症状とは?
まず「歯周病」とはどんな症状があるのか、確認しましょう。
歯周病とは
歯周病とは、細菌の感染によって引きおこされる、炎症性の疾患のことです。
歯と歯グキのあいだの汚れがしっかりとれないままでいると、そこに多くの細菌が住み、その周辺の歯グキに炎症を起こしたり、腫れさせたりするのです。そうなることで、歯グキ自体が下へ下へと後退していき、歯を支える土台の骨(歯槽骨)も溶け、だんだんと歯がグラグラと揺れるようになっていきます。
そして、最後には歯を抜くしかなくなってしまうという病気です。
歯周病と全身疾患
歯に雑菌がたまるのなら、それは口内だけの問題なのではないでしょうか?なにがどうなることで、全身にまで影響を及ぼすのでしょう?
歯周病は、細菌から
歯周病の状態というのは、口の中が常に炎症を起こしている状態です。歯と歯グキのあいだにたまった汚れをはじめとして歯周病菌や、菌から発生する毒素が体内に入ることにより、さまざまな病気のリスクを高めるという研究結果が発表されています。
どのように入るかというと、大きく2つ。血流にのって全身を巡っていくパターンと、唾液と混じって体内に入っていくパターンがあります。
歯周病菌による疾患悪化
では、歯周病は、具体的にどのような病気に悪影響を及ぼす可能性があるのでしょうか?
糖尿病
歯周病は、糖尿病の合併症と考えられています。糖尿病とは、血糖を下げるホルモン(インスリン)が足りず、うまく作用しなくなってしまうことで、高血糖値が続く疾患です。血糖値が高いと、さまざまな合併症が引き起こされやすいと言われています。
もともと糖尿病を患っている人は、そうでない人に比べて歯周病になりやすいのだと言われているのですが、さらに歯周病菌などの細菌類が血液を通して全身にまわることで、さらにインスリンをつくりにくくするとのこと。
そうならないためにも、細やかな歯の清掃を心掛けたいものです。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
肺や気管は、異物が入ってこようとすると、咳をしたりすることによって回避し、健康を保っています。しかし、そのような生理的機能が衰えてくると、自らの唾液や、食べ物が誤って肺に入ってしまうことがあります。
その結果、肺炎になることを「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」と言いますが、唾液中に混じっている歯周病菌や細菌は、肺炎の原因となるものが多いのです。
なので、高齢者や認知症の人、手術後の人など、食べ物の飲み込みがうまく行えない方に関しては、特に注意が必要となります。
心筋梗塞・脳梗塞
心筋梗塞は、動脈硬化などによって血管が狭くなったり、ふさがってしまうことで、心筋に血液を行きわたらせれなくなり、死に至る病気です。
同様に、脳梗塞は、脳の血管が詰まったり、狭くなってしまうことで、脳に十分な血液が行きわたらず、最悪は死に至る病気です。
もともと、ストレスや生活習慣の悪化などがその原因と考えられていたのですが、最近になって、歯周病菌などの細菌感染によって動脈硬化が促進される物質が出るという説が出てきています。
こうなってくると、もはや「口内細菌」のレベルではありませんね。
歯周病の予防方法
では、歯周病を回避するためには、一体どうしたらよいのでしょうか。
歯周病の予防方法
とにもかくにも「口内を清潔にすること」が何よりも大切です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシや糸ようじを使って、スキマまでしっかりと磨くこと。そして、可能であれば、毎食後、歯磨きをすることが望ましいですね。
なお、フッ素入りの歯磨き粉を使うことも大切です。
そして、定期的に新しい歯ブラシに切り替え、晴れた日には、歯ブラシを外で干したりするのも効果的です。そして、3か月に1度は、定期的に歯科検診へも行くようにしましょう。
<歯周病の予防方法>
- こまめに歯ブラシをする
- 歯間ブラシ・糸ようじを使う
- フッ素配合の歯磨き粉を使う
- 定期的に歯ブラシを替える(1か月に1本程度)
- 晴れた日には、歯ブラシを干す
- 定期的に歯科検診へ
歯周病かどうかを知るには?
自分が歯周病かを知るには、まず歯医者さんへ行って、歯科検診を受けてみましょう。
健診では、器具を使って、歯グキの歯周ポケットの深さを測ったり、レントゲンを撮ることで、現在の歯と骨の状態を確認することができます。
1人の口だからといって、全部が同じ状態なわけではなく、1本1本の歯ごとに、歯周病の進行具合は異なりますので、きちんと確認した上で適切な手入れをしていくことが大切です。
少しでも不安がある人は、早めに確認に行くことをおススメします。
歯周病の症状とは? まとめ
てっきり歯の病気だとばかり思っていた「歯周病」に、思わぬ影響力の大きさが隠れていたのを知り、驚きました。
知らないことは、怖いこと。いろんなことを知った上で、早め早めに適切な対応をとっていけるといいですね。まずは日ごろのお口のケアから。身近なところからコツコツと意識していきましょう。
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