現在高齢の女性は、「栄養士は花嫁修業でしょ?」「管理栄養士の資格持ってるわよ。」という方もいますね。
栄養士・管理栄養士の資格は時代によってずいぶんと変わってきました。
昔はさておき、管理栄養士を目指す人、管理栄養士が身近にいる人、ちょっと興味がある人、管理栄養士の資格を取るのはどうなのかな?の疑問にお答えします。
管理栄養士の資格が取りやすいと思ったポイントは?
まずは、管理栄養士の資格が取りやすいと思ったポイントをご紹介します。
国家試験は難しくない
国家試験を課している他の医療系国家資格(薬剤師、医師、看護師など)に比べて、管理栄養士の国家試験は難しくないと言えます。
現に、第30回管理栄養士国家試験では6割正解すれば合格です。(薬剤師は7割)
私が管理栄養士として病院に勤務しているときに、薬剤師さんに薬剤師国家試験問題を見せてもらったことがあります。
医療系資格では必須と言える「生化学」の問題は、管理栄養士国家試験で出される問題より、もっと難しい問題でした。大学の教科書も、同じ生化学で厚さは5倍もありました。
医師の本棚整理を手伝った時には、生化学の本は分厚い図鑑のような本がゴロゴロと出てきて、「これ位勉強しなきゃ医者にはなれないのか!」とその大変さを感じました。
養成校への入学は難しくない
管理栄養士の国家試験を受験するには、栄養士の資格が必要です。その栄養士資格を取るには、養成校を卒業する必要があります。
全国で栄養士養成校は200以上あります。全国の地方短大でも栄養士養成がありますので、そちらへの入学試験はあまり難しくはありません。
私の卒業した短大は、入学試験は国語と英語でした。
薬学部や医学部を目指す学力はないけれど、医療系の仕事に就きたいと思っているのならば、栄養士から管理栄養士を目指すのもいいですね。
養成校の卒業試験がない
栄養士養成校では、指定のカリキュラムをしっかり受講し勉強して卒業すれば、栄養士の資格をいただけて卒業できます。
それは短大でも4年制大学でも専門学校でも同じです。
知り合いの薬剤師さんから聞いた話ですと、薬学部では厳しい卒業試験を課していて、それを突破しないと卒業も出来ないそうです。
管理栄養士の資格は難しいという声も
コメントにて、管理栄養士は難しいという意見をいただいたので、貴重な情報として紹介させていただきます。以下、頂いたコメントです。
管理栄養士養成校に在学している者です。卒業試験はあります。大学によるかもしれませんが、少なくとも私の大学は国家試験より難しいレベルの卒業試験を受けさせられ、それを通らないと国家試験を受けさせてもらえないどころか卒業もさせえもらえず、留年ということになります。
あともう一つ、国家試験が簡単という事でしたが、全くもってそんなことはないです。少なくとも看護師の試験より難しいと思います。国家資格の難易度などのサイトや合格率を確認して下さい。
また養成校の入学が簡単というのは、大学によります。誰でも簡単に入れるレベルの大学から、かなり難しい難関大学まで、当たり前ですが様々です。
ただ、これを読んで間違った情報を得て、管理栄養士養成校に入学する人が増えてしまう事は問題だと思いましたので、ご指摘させて頂きました。
選ぶ学校によっても大きく変わると思っておいた方が良さそうですね。貴重なコメントありがとうございます。
管理栄養士の資格が難しいと思ったポイントは?
次に、管理栄養士の資格が難しいと思ったポイントを紹介します。
養成校は昼間しかない。
大人になってから「管理栄養士になろう!」と思っても、栄養士養成校は基本昼間の学校しかありません。看護師を取ろうとすれば、働きながら行ける学校もありますが、栄養士を取るには仕事を辞めるしかありません。
最短で2年は仕事をしない状況になりますので、これが管理栄養士の資格が取得しにくい理由の1つではないかと思います。
働きながら勉強するのは大変!
一部の養成校を除いて、管理栄養士国家試験の受験資格を得るまでに1~3年の実務経験を積む必要があります。(栄養士として働く期間ですね)
この1~3年の間に、働きつつ勉強もするということです。これはとても大変なことです。
この間に学校での勉強の知識は忘れてしまうのがほとんどですね。
第30回管理栄養士国家試験では、実務経験を積んだ受験生の合格率がなんと10%以下!
これが管理栄養士国家試験の難しさなんですね。
試験範囲が幅広い。
管理栄養士が活躍している場は、病院だけではありません。行政(役所や保健所)や、スポーツクラブ、食品メーカーなど様々です。
なので、国家試験には公衆衛生から臨床栄養、食品学まどさまざまな分野が出題されます。
さらに、日進月歩しているこの世界では、新しい食品や法律の改定などがあり、それらの新しい知識も求められます。これら全てを勉強するのはとても大変なことです。
管理栄養士の資格を取って良かったことは?
最後に、管理栄養士の資格を取って良かったことを紹介します。
管理栄養士の資格は使える。
管理栄養士に必置義務はありません。(施設運営で必ず置かなければならないわけではない)ですが、管理栄養士じゃないと栄養指導をしても医療保険の点数が取れません。
栄養ケアプランなども、管理栄養士が参加してないと点数な取れないなどもあります。なので、多くの施設で管理栄養士の求人募集があるのです。
私は夫が転勤族なので全国を転々としていますが、全国どこでも勤めることが出来るこの資格は本当に取って良かったです。
一生物の資格である
管理栄養士の資格は、一回受験に合格すれば一生消えない資格です。
女性の場合、たとえ妊娠出産で何年ブランクがあろうと、再び使える資格なので、独身の内に勉強して取っておいてしまうといいですね。
私も妊娠出産で仕事を退職しましたが、この資格のおかげで直ぐに再就職できました。
まとめ
管理栄養士の資格を取るのは、「最初のハードルが低くて、後に高くなる。」そんな資格だと思います。
養成校に入るのは簡単でも、働きながら勉強するのは本当に大変。他の国家試験より取るのは簡単でも、同等に医療現場の最前線に立つ為にはより勉強が必要です。
もう高校3年生、進路に悩み、迷い、もう遅いと嘆くならば、管理栄養士になりませんか?これからたくさん勉強し、医療現場の最前線で医師と同等に話のできる管理栄養士になれるかもしれません。
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